母のにおい

朝から実家の草取りをして片付けをしている。

今日は思い切って一度も開けたことのない桑折を開けた。

よそいきのお洋服を一枚一枚出していると、そこには不釣り合いな小さなエプロンのポケットの中に４つに折りたたまれた一万円札を見つけた。

イタヅラ付きの母のことだから、きっと、この桑折をいつか開くものへのプレゼントなんだなあって思うとちょっと可笑しくて泣けてくる。

バックの入った衣装ケースからはまさに懐かしい母のにおいがして、またまた涙が止まらない。

片付けは終わらない。