2011年9月25日日曜日

bouryoku

2年前、私は子どもへの暴力防止のために働きかけをする役割を担おうと心に決めた。
 暴力って一言で言ってもとても広くて深い。 私たちの職場にとってはある意味大変デリカシーな問題でもある。
 特に、軽度発達障害で家庭に恵まれない子ども達が入ってくるようになって深刻である。 何が暴力であるのかとらえ方はひとそれぞれ。 私の目からは虐待にしか見えない対応も、指導の一環とされてしまうことがしばしばである。
 実際、我が子に暴力をふるったことのある自分。
 だからこそ絶対弱者に対する暴力についての無知や思い違いの危険がよくわかる。
 つい先日も会議でささいな質問をした私に「あなたのような人権感覚のない発言は許せません。」と返されてしまった。
 何が彼女にそういわせたのだろう。 返す言葉が見つからなかった。
 次の日その同僚はある女子の返した言葉が気に入らないと言って馬乗りになって押さえつけていた。 そのうち加勢して両足を押さえてる別の同僚もいた。押さえつけられた女子は同僚に罵声を浴びせ続けていた。彼女にはそれしかできなかったのだ。
 助けられなかった。 私のしたことといえば、1時間ほど待って押さえつけられた後に突っ伏している彼女に言葉をかける事だけだった。それも、同僚の監視の下で。 やるせない気持ちでいっぱいだったが、彼女は私の言葉だけは「うん。」と言って聞いてくれた。 力で支配する指導をしていると、そのまま子ども達の世界も同じように動いているように見える。 
 しかし、反体制ではあるが、確実に今年一年少しずつ少しずつ変化が見られるようになった。 
一緒に頑張ってくれるようになった仲間ができた。
 実践の中で、力や大きな声で指導されることのほうがいいと言ってはばからなかった子ども達に変化が出てきた。 力の支配に惑わされず自分で考えて行動できる子ども達が増えて欲しい。 「いや」と言える子どもが増えて欲しい。 大人を信頼して相談してくれる子どもが増えて欲しい。 安心と自信と自由のある生活が送れるようになってほしい。 私自身、歩き始めたところ。

0 件のコメント: